宮崎県では、県内企業等における外国人材の定着とキャリア形成を促進するため、「宮崎県外国人材定着促進支援事業費補助金」を実施しています。
この補助金は、就労を主たる目的とした在留資格を持つ外国人材を受け入れている宮崎県内の企業等に対し、研修や在留資格の申請業務にかかる費用の一部を補助する制度です。
補助対象経費には、日本語講座、ビジネススキル講座、ビジネスマナー研修、異文化理解研修などの研修費用や、在留資格変更許可申請・在留期間更新許可申請などの申請業務に係る費用が含まれます。
補助率は、補助対象経費の2分の1以内で、補助上限額は一法人につき25万円です。
外国人材を継続して雇用する場合、研修や職場定着支援だけでなく、在留資格の変更・更新、特定技能への移行、技術・人文知識・国際業務への変更など、入管手続きのスケジュールも整理して進める必要があります。
本記事では、宮崎県外国人材定着促進支援事業費補助金の内容、補助対象となる経費、申請時の注意点、行政書士がサポートできる業務について解説します。
宮崎県外国人材定着促進支援事業費補助金とは
宮崎県外国人材定着促進支援事業費補助金とは、宮崎県内の企業等が受け入れている外国人材を対象に、キャリア形成支援に資する取組等に要する経費の一部を補助する制度です。
外国人材を採用した後、企業には、職場への定着、業務理解、日本語能力の向上、キャリア形成、在留資格の管理など、継続的な支援が求められます。
本補助金は、そのような外国人材の定着やキャリア形成に必要となる費用を支援するものです。特に、研修費用だけでなく、在留資格の申請業務に係る費用も補助対象となる点が特徴です。
新規採用ではなく定着・キャリア形成を支援する補助金
本補助金は、原則として、すでに企業に在籍している外国人材のキャリア形成を支援することを目的としています。
そのため、単に外国人材を新たに採用するための人材紹介料や、入国前の初期費用を支援する補助金ではありません。
対象となるのは、宮崎県内の企業等が受け入れている外国人材について、今後の定着やキャリアアップにつながる取組です。
例えば、次のような場面で活用が考えられます。
- 外国人従業員の日本語能力を高めたい
- 職場で必要なビジネスマナーを学ばせたい
- 業務に必要なビジネススキル研修を受けさせたい
- 異文化理解を深め、職場定着を進めたい
- 技能実習から特定技能へ変更したい
- 特定技能の在留期間更新を行いたい
- 技術・人文知識・国際業務への変更を検討したい
外国人材を受け入れた後の「定着」と「在留資格管理」を支援する制度として整理すると分かりやすいです。
対象となる企業等
本補助金の対象となるのは、宮崎県内に本社又は主たる事業所を有し、宮崎県内の事業所で外国人材を受け入れている企業等です。
また、県税に未納がないこと、個人住民税の特別徴収を実施していること又は開始を誓約していること、暴力団等に該当しないことなどの要件があります。申請を検討する場合は、まず自社が補助対象者に該当するかを確認する必要があります。
特に、宮崎県内で外国人材を実際に受け入れているか、対象となる外国人材の在留資格が補助対象に該当するかを確認することが重要です。
対象となる外国人材
本補助金の対象となる外国人材は、就労を主たる目的とした在留資格を持つ方です。
具体的には、次のような在留資格が対象となります。
- 技能実習
- 特定技能
- 技術・人文知識・国際業務
一方で、永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者など、身分・地位に基づく在留資格は対象外です。また、留学生の資格外活動によるアルバイトなども対象外です。
なお、ミャンマー人については例外があります。
本国情勢を踏まえた緊急避難措置に基づき、在留資格「特定活動」として宮崎県内で就労しているミャンマー人については、就労が確認できる書類を提出することで、本補助金の対象となる場合があります。
補助対象となる取組
本補助金の補助対象事業は、大きく分けて2つです。
1つ目は、研修等に係る費用です。
2つ目は、在留資格の申請業務に係る費用です。
研修等に係る費用
研修等に係る費用としては、日本語講座、ビジネススキル講座、日本におけるビジネスマナー研修、異文化理解の促進を図る研修などが想定されています。
例えば、次のような費用が対象となる可能性があります。
- 外部講師を招いた場合の講師謝礼
- 講師の旅費
- 研修に必要な消耗品費
- 共用教材の購入費
- 会場使用料
- 外部研修や勉強会の受講料
- 公共交通機関を利用した場合の旅費
- オンライン研修の受講料
ただし、試験などの資格認定を受けるものは対象外となるため注意が必要です。
在留資格の申請業務に係る費用
在留資格の申請業務に係る費用も補助対象となります。
具体的には、登録支援機関等への委託料のうち、在留資格の申請業務に係る費用や、行政書士等への報償費などが対象となります。
例えば、次のような手続きに関する費用が対象となる可能性があります。
- 在留資格変更許可申請
- 在留期間更新許可申請
- 特定技能への変更申請
- 技術・人文知識・国際業務への変更申請
- 申請取次に係る業務
- 申請理由書や説明資料の作成
- 入管からの追加資料提出通知への対応
ただし、在留資格の変更や在留期間の更新に係る法定手数料は補助対象外です。
在留資格の申請業務に係る費用も対象
本補助金では、在留資格の申請業務に係る費用が補助対象に含まれています。これは、外国人材の定着を考えるうえで非常に重要です。外国人材を継続して雇用するためには、在留期間の更新、在留資格の変更、特定技能への移行、技術・人文知識・国際業務への変更など、入管手続きを適切に行う必要があります。
例えば、技能実習2号を良好に修了した外国人材を特定技能へ変更する場合、在留資格変更許可申請が必要になります。
また、特定技能で在留している外国人材を継続して雇用する場合には、在留期間更新許可申請が必要です。これらの手続きを適切に行わなければ、外国人材を継続して雇用することができなくなる可能性があります。
そのため、在留資格の申請業務に係る費用が補助対象となる点は、外国人材の定着支援として大きな意味があります。
補助率・補助上限額
本補助金の補助率は、補助対象経費の2分の1以内です。
補助上限額は、25万円です。この25万円は、1人当たりの上限額ではありません。また一法人ごとの上限額です。
そのため、複数の事業所で外国人材を受け入れている法人の場合でも、各事業所の補助対象事業をまとめて、法人として一括申請する形になります。また、補助対象経費に2分の1を乗じて得た額に1,000円未満の端数が生じた場合は、切り捨てとなります。
例えば、補助対象経費が30万円の場合、補助率2分の1で計算すると、補助額は15万円です。
補助対象経費が60万円の場合、2分の1は30万円ですが、補助上限額が25万円であるため、補助額は最大25万円となります。
補助対象期間・募集受付期間
補助対象期間は、交付決定日から令和9年2月26日(金)までです。交付決定日前にすでに着手している事業は、補助対象外となります。
研修を申し込む場合や、在留資格の申請業務を依頼する場合には、交付決定日との関係を確認する必要があります。特に、在留資格の申請取次業務については、出入国在留管理庁へ申請書類等を提出した日が着手日とされています。そのため、交付決定前に入管へ申請している場合は、補助対象外となる可能性があります。
令和8年度の募集受付期間は、令和8年5月21日(木)から令和8年9月30日(水)必着まで延長されています。
予算の上限に達した場合は、募集受付期間中であっても受付が終了する可能性があります。
申請を検討している場合は、早めに準備することが重要です。
補助対象外となる主な経費
本補助金では、補助対象外となる経費もあります。
例えば、次のような経費は補助対象外です。
- 資格取得に要する経費
- 日本語検定や技能検定試験等の受検料
- 各種検定を受検する際の旅費・宿泊費
- 自動車運転免許の取得費用
- 在留資格の変更や在留期間の更新に係る法定手数料
- パソコンやタブレット、イヤホンなどの機器購入費
- Wi-Fiの設置費用
- オンライン研修受講に係る通信費や電気代
補助対象になりそうに見える費用であっても、制度上対象外となるものがあります。
そのため、申請前に、対象経費と対象外経費を整理しておくことが重要です。
申請前に確認すべき注意点
本補助金を申請する際は、まず対象となる外国人材の在留資格を確認する必要があります。
就労を主たる目的とした在留資格であるか、宮崎県内の事業所で受け入れている外国人材であるか、補助対象となる研修や在留資格申請業務に該当するかを整理します。
次に、補助対象期間に注意が必要です。
交付決定前に着手した事業は、補助対象外となります。
在留資格の申請業務については、入管に申請書類等を提出した日が着手日とされているため、補助金申請のタイミングと入管申請のタイミングを慎重に確認する必要があります。
また、申請は原則として年度内1回とされています。
申請時には、年間計画をまとめたうえで申請する必要があります。
複数の研修や在留資格手続きが予定されている場合は、申請時点で内容を整理しておくことが重要です。
行政書士ができるサポート
行政書士は、補助金申請に関する書類作成や、在留資格手続きに関するサポートを行うことができます。
本補助金に関して、行政書士がサポートできる主な業務は次のとおりです。
- 補助金の対象となる可能性の確認
- 対象となる外国人材の在留資格確認
- 補助対象経費の整理
- 研修費用と在留資格申請費用の整理
- 申請スケジュールの確認
- 補助金交付申請書の作成サポート
- 事業計画書の作成サポート
- 収支予算書の作成サポート
- 添付書類の確認・整理
- 実績報告書の作成サポート
- 収支決算書の作成サポート
- 補助金請求に関するサポート
また、在留資格手続きについては、次のようなサポートが可能です。
- 在留資格変更許可申請
- 在留期間更新許可申請
- 在留資格認定証明書交付申請
- 特定技能への変更申請
- 技術・人文知識・国際業務への変更申請
- 技能実習から特定技能への移行相談
- 申請理由書・説明資料の作成
- 雇用契約書・労働条件通知書の確認
- 登録支援機関との書類整理
- 入管からの追加資料提出通知への対応
特に、在留資格の申請書類作成は、行政書士が専門的に対応できる分野です。
登録支援機関等が関与している場合であっても、官公署に提出する申請書の作成については、行政書士が関与すべき場面があります。
補助金申請と在留資格手続きを別々に考えるのではなく、補助対象期間、交付決定日、入管申請日、許可日、支払日、実績報告期限を整理しながら進めることが重要です。
当事務所のサポート
当事務所では、宮崎県外国人材定着促進支援事業費補助金に関するご相談に対応しております。
本補助金は、外国人材の定着やキャリア形成を支援する制度であり、研修費用だけでなく、在留資格の申請業務に係る費用も補助対象となる点が特徴です。
当事務所では、補助金の対象確認、補助対象経費の整理、申請書類の作成、実績報告のサポートに加え、在留資格変更許可申請、在留期間更新許可申請、特定技能への変更申請、技術・人文知識・国際業務への変更申請など、外国人材の在留資格手続きについてもサポートいたします。
例えば、次のようなご相談が可能です。
宮崎県外国人材定着促進支援事業費補助金の対象になるか確認したい
受け入れている外国人材の在留資格が対象になるか確認したい
研修費用が補助対象になるか相談したい
在留資格申請に係る行政書士報酬が補助対象になるか確認したい
技能実習から特定技能へ変更したい
特定技能の在留期間更新を依頼したい
技術・人文知識・国際業務への変更を相談したい
補助金申請と入管手続きをまとめて相談したい
外国人材の定着には、採用時だけでなく、入社後の研修、職場環境の整備、在留資格の管理が重要です。
宮崎県内で外国人材を受け入れている企業様は、本補助金の活用とあわせて、在留資格手続きについても早めにご相談ください。

