永住許可を取得すると、在留資格「永住者」となり、在留期間の更新手続きは不要になります。

「技術・人文知識・国際業務」「日本人の配偶者等」「定住者」などでは、定められた在留期間ごとに在留期間更新許可申請を行う必要がありますが、永住者には在留期間の制限がありません。

ただし、

「永住許可を取得したら、その後は入管関係の手続きが一切不要になる」

というわけではありません。

永住者にも在留カードが交付され、在留カードには有効期間があります。特に2026年6月14日から在留カードの制度が変更され、永住者に新たに交付される在留カードの有効期間も従来より長くなっています。

そのほか、住所を変更した場合、氏名・国籍等が変わった場合、在留カードを紛失した場合、日本から長期間出国する場合などには、それぞれ必要な手続きを確認する必要があります。

本記事では、永住許可を取得した後に必要となる在留カードの更新や各種届出、海外へ出国する場合の注意点について解説します。

永住許可後は在留期間の更新が不要

永住者の大きな特徴の一つが、在留期間の制限がないことです。

例えば、「技術・人文知識・国際業務」であれば、1年、3年、5年などの在留期間が付与され、その期間を超えて日本に在留する場合には在留期間更新許可申請が必要です。

一方、永住許可を取得すると、在留期間は無期限となります。

そのため、永住者については、「あと3か月で在留期限なので更新する」といった在留期間更新許可申請は必要ありません。

また、永住者は就労活動についても原則として制限がありません。

転職した場合に、「技術・人文知識・国際業務」のように転職後の仕事内容が在留資格の範囲内であるかを確認する必要もありません。

しかし、在留資格の有効期間がないことと、在留カードの有効期間がないことは別です。

ここは永住許可後に特に注意したいポイントです。

在留資格「永住者」と在留カードの有効期間は別です

永住者については、在留資格そのものに在留期間の制限はありません。

しかし、永住者に交付される在留カードには有効期間があります。

つまり、

在留資格「永住者」:在留期間の更新不要

在留カード:有効期間があるため更新が必要

という違いがあります。

「永住だから在留カードも一生使える」というわけではありません。

在留カードには有効期限が記載されていますので、永住許可を取得した後も定期的に確認しておく必要があります。

2026年6月14日から在留カードの有効期間が変更

2026年6月14日から、新しい様式の在留カードの交付が始まりました。

これに伴い、永住者及び高度専門職2号に交付される在留カードの有効期間も変更されています。

2026年6月13日までに交付された在留カード

従来、永住者の在留カードは、原則として、

16歳以上:交付の日後7年

でした。

16歳未満の場合には、原則として16歳の誕生日の前日までとされていました。

2026年6月14日以降に交付された在留カード

新しく交付される在留カードについては、

年齢在留カードの有効期間
18歳以上交付の日後の10回目の誕生日まで
18歳未満交付の日後の5回目の誕生日まで

となりました。

単純に「10年間」とするのではなく、交付後10回目の誕生日までという点がポイントです。

これまでより在留カードの有効期間が長くなったため、永住者のカード更新の負担は軽減されています。

現在持っている古い在留カードは交換が必要?

2026年6月14日から在留カードが新しい様式になりましたが、すでに持っている在留カードを直ちに新しいカードへ交換する必要はありません。

2026年6月13日以前に交付された在留カードも、券面に記載されている有効期間までは引き続き使用できます。

例えば、現在持っている永住者の在留カードに、

「2030年○月○日まで有効」

と記載されていれば、新様式が導入されたという理由だけで交換する必要はありません。

現在のカードの有効期間満了時などに、新しい在留カードへ切り替わることになります。

在留カードはいつから更新できる?

永住者の在留カードについては、原則として有効期間満了日の3か月前から有効期間更新申請を行うことができます。

例えば、

在留カードの有効期限
2027年12月15日

であれば、原則として、

2027年9月15日頃から

更新申請が可能になります。

有効期限当日まで申請することはできますが、期限直前まで待つ必要はありません。

在留カードは、銀行、勤務先、携帯電話、各種契約、本人確認などさまざまな場面で使用する重要な身分証明書です。

有効期限が近づいた場合は、早めに更新手続きを行うことをおすすめします。

なお、2026年6月13日までに交付された在留カードで、有効期間満了日が16歳の誕生日又はその前日となっている場合には、6か月前から更新申請ができる取扱いがあります。

在留カードの更新手数料

永住者が行う在留カードの有効期間更新申請について、手数料はかかりません。

ここも「在留期間更新許可申請」との違いです。

在留期間更新許可申請では許可時に手数料が必要ですが、永住者が在留カードの有効期間を更新する手続きには、更新手数料はありません。

したがって、永住許可をもう一度申請するわけでもなく、在留期間を更新するわけでもありません。あくまで有効期限を迎える在留カードを、新しい在留カードへ更新する手続きです。

在留カード更新の主な必要書類

永住者が在留カードの有効期間を更新する場合、主に次のようなものを準備します。

  • 在留カード有効期間更新申請書
  • 写真
  • 現在の在留カード
  • パスポート等

また、在留カードに漢字氏名の併記を希望する場合には、「在留カード漢字氏名表記申出書」などをあわせて提出することができます。

永住許可申請のときのように、何年分もの納税証明書、年金資料、収入資料などをもう一度提出して永住資格を審査してもらう手続きではありません。

住所を変更した場合

永住者も引っ越しをした場合には、住所変更の手続きが必要です。

新しい住居地へ移転した日から14日以内に、新しい住所の市区町村で届出を行います。

在留カードを持参して、市区町村で住民基本台帳法上の転入届・転居届などを行えば、原則として入管法上の住居地変更届出も行ったものとして扱われます。

つまり、通常は、

引っ越し

市区町村へ転入・転居届

在留カードの住所を変更

という流れになります。

永住者になった後も、住所変更の届出義務がなくなるわけではありません。

氏名・国籍等が変わった場合

次のような在留カードの記載事項に変更が生じた場合にも届出が必要です。

  • 氏名
  • 生年月日
  • 性別
  • 国籍・地域

これらに変更が生じた場合には、原則として変更が生じた日から14日以内に届出を行います。

例えば、

  • 結婚などによって氏名が変わった
  • 本国で正式に氏名を変更した
  • 国籍が変更された

といった場合です。

住所変更は市区町村で行いますが、氏名・国籍等の変更は地方出入国在留管理官署で行うため、手続先にも注意が必要です。

在留カードを紛失した場合

永住者であっても、在留カードを紛失した場合には再交付申請が必要です。

紛失、盗難などによって在留カードを所持しなくなった場合には、原則としてその事実を知った日から14日以内に再交付申請を行います。

例えば、

  • 財布ごと在留カードを紛失した
  • 在留カードを盗まれた
  • 災害などによってカードを失った

といった場合です。

海外にいる間に紛失したことを知った場合には、その後最初に日本へ入国した日から14日以内となります。在留カードは日常生活でも本人確認書類として使用することが多いため、紛失した場合はそのままにせず、早めに手続きを行うことが重要です。

海外へ出国するときは再入国手続きに注意

永住者になれば、自由に日本と海外を行き来できると思われることがあります。しかし、永住者であっても、日本から出国するときの再入国手続きは重要です。

有効なパスポートと在留カードを所持している永住者が、出国後1年以内に日本へ再入国する予定であれば、原則として「みなし再入国許可」を利用することができます。出国時に再入国する意思を示し、再入国出国記録で必要な手続きを行います。

一方、1年以上海外に滞在する予定があるという場合には、出国前に通常の再入国許可を取得しておく必要があります。

永住者の場合、通常の再入国許可は最長5年間とされています。

「永住者だから何年海外にいても大丈夫」ではありません

ここは特に注意が必要です。

永住者には在留期間の制限はありませんが、再入国許可の有効期間には制限があります。

例えば、みなし再入国許可で出国した場合には、原則として出国の日から1年以内に日本へ再入国する必要があります。

みなし再入国許可の期間を過ぎてしまうと、日本国外にいながら簡単に延長することはできません。

そのため、「永住者だから、海外に何年間住んでいても日本へ戻れる」とは考えないよう注意が必要です。

長期間の海外滞在を予定している場合には、出国前に再入国許可について確認することが重要です。

永住者でも在留資格を失うことがあります

「永住」という名称から、一度取得すればどのような場合でも一生失わない在留資格と思われることがあります。

しかし、永住者であっても在留資格を失う場合があります。

例えば、再入国許可等を適切に利用せずに出国した場合や、再入国できる期間を経過した場合などには、日本での永住者としての在留資格を維持できなくなることがあります。また、永住者についても、住居地の届出や在留カードの有効期間更新など、入管法上必要な義務があります。

永住者は在留期間更新の審査を受ける必要はありませんが、永住許可後も入管法上の義務を守る必要があります。

税金や社会保険の手続きも続きます

永住許可を取得したからといって、税金、年金、健康保険などの義務がなくなるわけではありません。

日本で生活を続ける以上、本人の状況に応じて、

  • 住民税
  • 所得税
  • 年金
  • 健康保険
  • 社会保険

などについて適切に対応する必要があります。

「永住許可を取得するまでは税金や年金をしっかり支払っていたが、永住許可後は関係ない」という考え方は適切ではありません。

永住許可後も、日本で生活するうえで必要な公的義務を継続して履行することが重要です。

永住許可後に確認しておきたいこと

永住許可を取得した後は、在留期間更新許可申請がなくなるため、以前より入管手続きの負担は大きく減ります。

ただし、少なくとも次の点は定期的に確認しておくことをおすすめします。

  • 在留カードの有効期限
  • 住所変更時の届出
  • 氏名・国籍等を変更した場合の届出
  • 在留カードを紛失した場合の再交付
  • 海外へ出国する場合の再入国手続き
  • 税金・年金・健康保険等の手続き

特に在留カードについては、「在留資格の期限」と「在留カードの有効期限」を混同しないことが重要です。

永住者には在留期間の期限はありませんが、在留カードには有効期限があります。

現在お持ちの在留カードの表面に記載されている「有効期間」を一度確認しておくとよいでしょう。

当事務所のサポート

当事務所では、永住許可申請だけでなく、永住許可後の在留手続きについてもご相談に対応しております。

例えば、次のようなご相談が可能です。

「永住許可を取得した後、在留カードの更新が必要か確認したい」
「現在の在留カードがいつまで有効なのか分からない」
「2026年6月14日から在留カードが変わったと聞いた」
「永住者の在留カードを更新したい」
「引っ越したので住所変更の手続きを確認したい」
「在留カードを紛失した」
「長期間海外へ行く予定があり、再入国許可について確認したい」
「永住許可後に必要となる手続きを確認したい」

永住許可は、日本で長期的に生活するうえで非常に安定した在留資格です。

一方で、「永住許可=その後の手続きがすべて不要」というわけではありません。

在留カードの有効期間、住所変更、再入国手続きなど、永住許可後にも必要となる手続きがあります。

永住許可を取得された方は、現在の在留カードの有効期限を確認し、必要な手続きを忘れないよう注意してください。