ミャンマー情勢を踏まえた緊急避難措置により、在留資格「特定活動」で日本に在留しているミャンマー人の方が、日本企業への就職をきっかけとして「技術・人文知識・国際業務」への在留資格変更を希望するケースがあります。

当事務所でも現在、「特定活動」で在留しているミャンマー人の方について、「技術・人文知識・国際業務」への在留資格変更許可申請を行っておりますが、2026年4月下旬に申請し、9月現在も審査が継続しており、まだ結果は出ていません。

在留資格変更許可申請については標準的な審査期間が示されていますが、実際の審査期間は、申請人の学歴・職歴、これまでの在留状況、変更後の仕事内容、勤務先企業の状況などによって異なるため、すべての申請が同じ期間で終了するわけではありません。

申請から数か月が経過すると、「審査が長いのは不許可になるからではないか」「追加資料の連絡がないのに、なぜ結果が出ないのか」と不安になる方もいらっしゃいますが、審査が長期化していることだけを理由として、不許可になると判断することはできません。

本記事では、当事務所で現在申請中の事例も踏まえながら、ミャンマー人の方が「特定活動」から「技術・人文知識・国際業務」へ変更する場合の審査期間や、審査中に注意したいポイントについて解説します。

当事務所では2026年4月下旬に申請し9月現在も審査中

現在、当事務所では、在留資格「特定活動」で日本に在留しているミャンマー人の方について、「技術・人文知識・国際業務」への在留資格変更許可申請を行っています。

この案件については、2026年4月下旬に申請しましたが、9月現在も審査が継続しており、申請から4か月以上が経過しています。

在留資格変更許可申請では、単に申請書や雇用契約書を確認するだけではなく、申請人の学歴や職歴、現在までの在留状況、就職後に担当する具体的な仕事内容、雇用条件、勤務先企業の事業内容などを個別に確認したうえで審査が行われます。

そのため、同じ「特定活動」から「技術・人文知識・国際業務」への変更であっても、申請人や勤務先企業の状況によって審査期間が異なることがあります。

在留資格変更の標準処理期間は1か月から2か月

在留資格変更許可申請の標準処理期間は、一般的に1か月から2か月とされていますが、これはすべての申請について、その期間内に必ず結果が出ることを保証するものではありません。

申請内容について確認すべき事項が多い場合や、提出された資料についてさらに審査が必要な場合などには、標準処理期間を超えて審査が継続することがあります。

また、公表されている在留審査の処理期間についても、一定期間に処理された案件を基にした平均的な数値であるため、個別の申請について「2か月を超えたから問題がある」と判断することはできません。

当事務所で現在申請中の案件についても、すでに標準処理期間を大きく超えていますが、9月現在も審査は継続しています。

審査が4か月を超えても不許可とは限らない

申請から数か月が経過しても結果が出ない場合、「審査が長いということは不許可になる可能性が高いのではないか」と心配されることがあります。

しかし、審査期間の長さだけから、許可又は不許可を判断することはできません。

在留資格変更許可申請では、申請人が予定している活動が「技術・人文知識・国際業務」に該当するか、本人が必要な学歴・職歴等を有しているか、雇用契約や報酬額が適切か、これまでの在留状況に問題がないかなどについて総合的に確認されます。

審査が長期間続いているという事実は、その申請について確認・審査が継続していることを意味するものであり、長期化していること自体が不許可を意味するものではありません。

反対に、短期間で結果が出たからといって、必ず許可されるというものでもありませんので、審査期間だけで結果を予測しないことが重要です。

ミャンマー人の特定活動とは

ミャンマーでは2021年2月以降、不安定な国内情勢が続いており、日本では、ミャンマーへの帰国が困難な方などについて、緊急避難措置として在留資格「特定活動」による在留を認める取扱いが行われています。

現在の在留資格に基づく活動を満了した方などについては、一定の要件のもとで「特定活動」に変更し、日本に引き続き在留できる場合があります。

ただし、「ミャンマー人の特定活動」といっても、すべての方に同じ活動内容や就労条件が認められているわけではありません。

現在どのような活動や就労が認められているのかについては、在留カードの記載だけではなく、本人に交付されている指定書の内容まで確認することが重要です。

特定活動から技人国への変更は通常の審査を受ける

ミャンマー人の方が緊急避難措置による「特定活動」で在留している場合でも、「技術・人文知識・国際業務」の要件を満たしていれば、在留資格変更許可申請を行うことができます。

ただし、現在「特定活動」で就労することが認められているからといって、「技術・人文知識・国際業務」への変更がそのまま認められるわけではありません。

「技術・人文知識・国際業務」へ変更する場合には、通常の変更申請と同様に、本人の学歴・職歴、就職後の仕事内容、雇用条件、勤務先企業の状況などについて審査を受けることになります。

したがって、「特定活動で働くことができること」と「技術・人文知識・国際業務の要件を満たしていること」は別の問題として考える必要があります。

技人国への変更で確認される主なポイント

「特定活動」から「技術・人文知識・国際業務」へ変更する場合には、まず本人の学歴や職歴と、就職後に担当する仕事内容との関係が重要になります。

大学や専門学校で学んだ内容が予定する仕事と関連しているか、学歴によって要件を満たさない場合には必要な実務経験があるかなどについて、卒業証明書、成績証明書、在職証明書などを使用しながら確認します。

また、就職後に行う仕事についても、職種名だけではなく、実際にどのような業務を担当するのかが審査の対象となります。

例えば、システム開発、設計、貿易業務、海外営業、マーケティング、経理、通訳・翻訳など、専門的な知識や外国の文化に基盤を有する能力を必要とする業務であることが重要です。

さらに、外国人本人の給与についても、同じ業務に従事する日本人と比較して不当に低くないかなど、雇用条件の適正性が確認されます。

これまでの在留・就労状況も確認される

在留資格変更許可申請では、新しい勤務先や仕事内容だけでなく、これまで日本でどのように在留してきたかも重要になります。

特に「特定活動」の場合は、個々の外国人について認められている活動内容が指定されているため、その範囲内で適切に活動・就労していたかを確認する必要があります。

例えば、現在の特定活動について就労時間の制限がある場合には、その制限を守っていたか、必要な届出を適切に行っていたか、資格外活動などに問題がなかったかといった点も確認の対象となり得ます。

そのため、申請前には現在の在留カードだけでなく、指定書の内容とこれまでの就労状況をあわせて確認しておくことが重要です。

会社側の事業内容や仕事内容も重要

「技術・人文知識・国際業務」の審査では、外国人本人の学歴や職歴だけではなく、採用する会社についても確認されます。

会社が実際にどのような事業を行っているのか、外国人に担当させる専門的な業務が実際に存在するのか、その業務を継続して行わせることができるのかなどについて、会社概要や事業内容、雇用契約、業務内容に関する資料などから確認されます。

例えば、雇用契約書に「海外営業」と記載されていても、実際には海外取引がほとんどなく、外国人本人が担当する専門的な営業業務が具体的に説明できない場合には、仕事内容について詳しい確認が行われる可能性があります。

そのため、申請では単に職種名を記載するだけではなく、入社後にどのような業務を担当し、その業務に本人の学歴や経験をどのように活かすのかを具体的に説明することが重要です。

追加資料がなくても審査が続くことがある

審査が長期化すると、「追加資料の依頼もないのに、なぜ結果が出ないのか」と疑問に思われることがあります。

しかし、追加資料の提出を求められていないからといって、審査が止まっているということではなく、入管内部で申請内容の確認が継続している場合もあります。

一方、審査の過程でさらに確認が必要になった場合には、仕事内容の詳細、学歴・職歴、会社の事業内容、雇用の必要性、これまでの在留状況などについて追加資料を求められることがあります。

追加資料の依頼があった場合には、その内容を正確に確認したうえで、求められている事項に対応した資料を期限内に提出することが重要です。

審査中に働ける範囲は現在の在留資格で決まる

「技術・人文知識・国際業務」への変更申請を提出したからといって、申請日から技人国としての就労が認められるわけではありません。

変更許可が出るまでは、現在の在留資格「特定活動」で認められている活動の範囲内で就労する必要があります。

例えば、現在の特定活動で就労時間に制限が設けられている場合には、技人国への変更申請中であっても、その制限を超えて働くことはできません。

会社側も、「技人国への変更申請を提出したので、すでに正社員として予定している仕事をさせても問題ない」と判断せず、許可が出るまでは現在の在留資格と指定書の内容に従って就労させる必要があります。

会社側も入社時期に余裕を持つことが重要

外国人を採用する会社にとって、在留資格変更の審査期間は人員配置や採用計画にも大きく関係します。

例えば、特定のプロジェクトへの配属や、海外営業、外国人顧客への対応などを予定していても、「技術・人文知識・国際業務」への変更許可が出ていなければ、予定していた業務を開始できない場合があります。

当事務所で現在申請している案件でも、2026年4月下旬に申請しましたが、9月現在も審査中となっており、実際に4か月以上審査が続いています。

そのため、外国人を採用する企業は「1か月から2か月程度で必ず結果が出る」という前提だけで入社日や配属時期を決めるのではなく、審査が長期化する可能性も考慮したうえで採用スケジュールを組むことが重要です。

審査の長期化を考えて早めに申請する

特定活動から技術・人文知識・国際業務への変更を予定している場合には、入社予定日の直前になってから申請するのではなく、できるだけ余裕をもって準備を始めることをおすすめします。

申請前には、本人の学歴、成績証明書、職歴、現在の指定書、これまでの就労状況、雇用契約、具体的な仕事内容、勤務先企業の事業内容などを確認する必要があります。

また、ミャンマーの大学等で発行された証明書を使用する場合には、必要な資料の取得や日本語訳の準備に時間を要することもあります。

申請後に説明不足や資料不足が判明すると追加資料への対応が必要となり、結果が出るまでさらに時間がかかる可能性もあるため、申請前の段階で本人と会社双方の資料を十分に整理しておくことが重要です。

審査が長いことだけで理由を推測しない

審査が数か月に及ぶと、本人や勤務先企業としては、その理由が気になるところです。

しかし、審査期間が長いことだけを理由として、「不許可になる」「申請内容に問題がある」「ミャンマー人だから審査が長い」と判断することはできません。

現時点で、ミャンマー人の「特定活動」から「技術・人文知識・国際業務」への変更申請について、一律に審査期間を長くするという取扱いが公表されているわけではありません。

したがって、審査が長期化している理由を推測して断定するのではなく、現在の在留資格を適切に維持しながら審査結果を待ち、追加資料の提出などを求められた場合には速やかに対応できるよう準備しておくことが重要です。

当事務所のサポート

当事務所では、ミャンマー人の方の在留資格「特定活動」から「技術・人文知識・国際業務」への在留資格変更許可申請に対応しております。

現在も、2026年4月下旬に申請した案件について、9月現在、入管で審査が継続しています。

特定活動から技人国へ変更する場合には、現在の在留資格だけを見るのではなく、本人の学歴・職歴、専攻内容、これまでの就労状況、就職後の仕事内容、会社の事業内容、給与などの雇用条件を確認したうえで申請する必要があります。

例えば、「ミャンマー人の特定活動から技人国へ変更したい」「現在の特定活動で働きながら変更申請できるか確認したい」「ミャンマー人を正社員として採用したい」「学歴と仕事内容が技人国の要件を満たすか確認したい」「申請から数か月経過しているが結果が出ない」「審査中にどこまで働けるか確認したい」といったご相談に対応しております。

「特定活動」から「技術・人文知識・国際業務」への変更申請は、申請すれば短期間で必ず結果が出る手続きではなく、実際に4か月以上審査が続いているケースもあります。

外国人本人だけでなく、採用する企業側も審査が長期化する可能性を考慮し、余裕をもって申請準備と採用計画を進めることが重要です。