日本で働くためには、就労ビザを取得する必要があります。しかし、就労ビザという呼び方は俗称で、正式には「就労可能な在留資格」が必要となります。

ただし、一般的には「就労ビザ=就労可能な在留資格」として使われることが多くなりますので把握しておきましょう。

本記事では、外国人の就労可能な在留資格について詳しく解説します。ビザ(査証)と在留資格の違いや、実際に就労するための具体的な在留資格についても紹介しますので、参考にしていただければ幸いです。

就労ビザとは?

就労ビザとは、日本で働くために必要な在留資格のことを指します。ビザは本来、日本への上陸を許可する査証のことであり、日本で働くためには就労を目的とした在留資格が必要です。

しかし、一般的には「就労ビザ」という俗称が在留資格を指す言葉として使われています。つまり、就労ビザとは、日本で働くために必要な在留資格全般を指す言葉として使われているのです。

ビザ(査証)と在留資格の違い

ビザ(査証)と在留資格は、外国人が日本に入国し、滞在するために必要な証明書ですが、その意味や使い方には大きな違いがあります。

ビザは外務省から発給される、日本に上陸するために必要な証明書であり、日本大使館や領事館で取得できます。パスポートに貼り付けられ、入国許可を得るための一部となります。ビザには有効期限があり、通常は1回の入国に限り使え、期限は発給の翌日から3か月間です。

一方、在留資格は法務省から認定される資格であり、日本での活動や滞在に必要なものです。在留資格はビザとは異なり、日本への入国後に申請し、許可を得る必要があります。在留資格には様々な種類があり、勉強や就労、家族滞在など、目的や活動内容によって異なる資格が与えられます。

ビザと在留資格の混同はよく見られる間違いですが、両者は全く異なるものです。ビザは入国許可を得るための証明書であり、在留資格は日本での活動や滞在に必要な資格です。ビザを持っていても、在留資格を持たなければ日本での活動は制限されます。

したがって、日本への入国を希望する場合は、ビザの取得だけでなく、適切な在留資格の申請も必要です。ビザと在留資格の違いを理解し、正確な情報を得ることが重要です。

就労を目的とした在留資格(就労ビザ)

以下が就労を目的とした16種類の在留資格です。それぞれの在留資格には、異なる要件や制限がありますので、詳細な情報や申請手続きについては、外国人在留総合インフォメーションセンターや地方出入国在留管理局にお問い合わせください。

1)教授

大学や研究機関で教育・研究活動を行うための在留資格です。高度な専門知識や技術を持ち、学術的な業績が要件とされます。

例)大学教授、助教授、助手など

2)芸術

芸術家や演劇関係者が日本での活動を目的として取得する在留資格です。芸術的な才能や実績が求められます。

例)作曲家、作詞家、画家、彫刻家、工芸家、写真家など

3)宗教

宗教活動を行うための在留資格です。宗教団体に所属していることや宗教的な活動の目的が必要です。

例)僧侶、司教、宣教師等の宗教家など

4)報道

マスメディアや報道機関での仕事をするための在留資格です。報道活動に関する実績や信頼性が求められます。

例)新聞記者、雑誌記者、編集者、報道カメラマン、アナウンサーなど

5)経営・管理

日本の企業や組織で経営・管理業務を行うための在留資格です。経営能力やマネジメントの経験が要件とされます。

例)会社社長、役員など

6)法律・会計業務

法律事務所や会計事務所での業務を行うための在留資格です。専門的な知識や経験が求められます。

例)日本の資格を有する弁護士、司法書士、公認会計士、税理士など

7)医療

医師や看護師など医療関係者が日本での医療活動を目的として取得する在留資格です。日本の医療制度や資格要件を満たす必要があります。

例)日本の資格を有する医師、歯科医師、薬剤師、看護師など

8)研究

大学や研究機関での研究活動をするための在留資格です。研究のテーマや成果が要件とされます。

例)研究所等の研究員、調査員など

9)教育

学校や教育機関での教育活動を行うための在留資格です。教育の経験や資格が求められます。

例)小・中・高校の教員など

10)技術・人文知識・国際業務

技術者や専門職、国際業務関係者が日本での活動を目的として取得する在留資格です。専門的な知識やスキルが要件とされます。

例)理工系技術者、IT技術者、外国語教師、通訳、コピーライター、デザイナーなど

11)企業内転勤

外国企業の日本法人に所属する社員が、日本の本社や関連会社への転勤を目的として在留するための資格です。

例)同一企業の日本支店(本店)に転勤する者など

12)介護

日本の高齢化社会において、介護業界で働く外国人労働者を受け入れるための在留資格です。介護技能や日本語能力など、一定の条件を満たす必要があります。

例)介護福祉士の資格を有する介護士など

13)興行

日本のエンターテイメント業界やイベント業界で働く外国人労働者を受け入れるための在留資格です。舞台俳優やミュージシャンなど、エンターテイメントに関連する仕事をできます。

例)演奏家、俳優、歌手、ダンサー、スポーツ選手、モデルなど

14)技能

技能とは、一定の技能水準を有する外国人が、日本国内で特定の業務に従事するための在留資格です。

例)外国料理の調理師、調教師、パイロット、スポーツ・トレーナー、ソムリエなど

15)特定技能

特定技能は、特定の産業分野に属する相当程度の知識や経験を必要とする技能を持つ外国人が、日本国内で働くための在留資格です。

例)特定産業分野に属する相当程度の知識または経験を必要とする技能・熟練した技能を要する産業に従事するもの

16)技能実習

技能実習は、外国人が日本の企業や団体で実践的な技術や技能を習得するための在留資格です。技能実習生は、日本の企業で一定期間働きながら技能を学び、その技能を帰国後に活かすことができます。

例)海外の子会社等から受け入れる技能実習生、監理団体を通じて受け入れる技能実習生

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この記事の監修者 
特定行政書士 宗方 健宏

行政書士国際福祉事務所は、障害福祉医療・外国人ビザの許認可手続きに特化しております。障害福祉医療業務・国際業務に特化しておりますので、様々な事例に対応してきました。医療法人設立は、日々の診療で多忙な医師に変わり、設立から運営までサポートしております。障害福祉事業所の立ち上げ・運営コンサルティングは、毎月の国保連請求代行業務(株式会社IWパートナーズ)や行政による実地指導の立会いまでサポートしております。国際業務は、障害福祉事業所・医療法人・企業で外国人を雇用したい法人様をサポートしております。