自治体側も福祉有償運送事業の新規参入は未経験。承認されたのは、実績のある行政書士がいたから

 東京都多摩地域の要支援者や要介護者等へ福祉有償運送サービスを提供している「一般社団法人 イーライフ交通」様は、日野市の協議会と関東運輸局から福祉有償運送事業の許可を得るため、2023年4月下旬から行政書士国際福祉事務所のサービスを利用しました。サビス内容は、役所への申請業務および法人の運営コンサルタントです。今回、一般社団法人イーライフ交通の代表理事である伊藤正樹様へインタビューしました。

福祉有償運送事業の申請業務の実績があった、行政書士国際福祉事務所へ依頼

――まず御社の事業内容について、お聞きしてもよろしいですか

 弊社は福祉有償運送事業を行うため、2022年4月に設立しました。日野市は交通の便が悪く、要支援者や要介護者、身体障害者の方々は病院やスーパーなどへ行くのに、非常に苦労しています。特に高齢の方は、最近ご家族の勧めもあって、免許証を自主返納されることが多く、運転できなくなったことで、バスやタクシーを利用しないとどこへも行けない、という声をよく耳にするようになりました。そのため「何か助けられる方法はないか」と思い、色々調べたところ、介護タクシーは却って高額になってしまう。しかし、福祉有償運送なら安価で気軽に利用できることを知りました。そこで、当法人を立ち上げ福祉有償運送事業を始めることにしました。2023年8月、日野市協議会に参加し承認を得たのち、9月に関東運輸局へ申請。10月2日に事業運営の許可をいただき、10月11日から事業をスタートしています。

――行政書士国際福祉事務所のサービスをご利用されたきっかけについて教えてください。

 弊社は有償運送事業の申請業務と、法人のコンサルタント業務をお願いしました。なぜ、行政書士国際福祉事務所にお願いしたかというと、他の行政書士さんと比べて圧倒的に実績があり、かつ福祉有償運送事業の申請経験もあったからです。というのも、法人を立ち上げた当初、別の行政書士さんにお願いをしていたのですが、その方は福祉有償運送事業の申請経験がありませんでした。私も右も左も分からない状態だったので、お互い調べながら申請に向けてスタート。しかし準備が間に合わず、結果的に法人を立ち上げた2022年に申請することができなかったんです。その後、担当した行政書士が退職してしまい、途方に暮れました。経験はなかったですが、頼りにはしていましたからね。仕方なくインターネットで調べたところ、行政書士国際福祉事務所のホームページを見つけて連絡をとりました。宗方先生と話したところ、以前の行政書士と比べて、圧倒的に実績が豊富で、福祉有償運送の申請経験もおありだった。そこで、申請業務だけでなく法人のコンサルタント業務もお願いすることになったんです。

日野市の協議会には宗方も参加し、法人と共に書類の内容や経営方針を説明する

――依頼したサービス内容について教えてください。

 依頼したサービスは、先ほども申したとおり、申請業務とコンサルタント業務でした。まず、申請業務では、書類の準備は全て宗方先生主導のもと、進めていきました。先生の方から「この書類を準備してください」「この書類にサインをしてください」と、細かく指示があったので、その通りに対応しました。また、日野市へ申請後、協議会で審査が行われるのですが、その協議会にも同席していただきました。コンサルタント業務では、経営方針から料金の設定、運営の管理事項に至るまで全てご指導いただきました。管理事項については、「これは法的に必要」「これは法的には必要ないが、あった方が良い」というものを全て洗い出してまとめたものを、宗方先生から書類で送っていただきました。我々は、その書類に則って進めていった形です。法的に決まっている内容とそうでない内容の中で、何をどこまでどこまで用意すれば良いか、素人が判断するのはとても難しい。プロの方の知識と判断は必要でした。

――申請において、最も困難だったことは?

 当法人も福祉有償運送事業の申請も初めてでしたし、承認する日野市自体も前例がなかったことです。承認する日野市自体、それまで1件も新規申請を受け付けたことがなかったんです。そのため、自治体の担当者もどうやって承認したら良いか分からない状態でした。私と日野市の担当者、宗方先生の3者の中で、経験があったのは宗方先生だけでした。市の担当者も困惑していたので、自治体から「これを準備すれば許可が降りる」というような確固たる情報が得られなかったです。そこで、宗方先生に他の自治体での例を聞き、それを参考にしました。「他の市ではこうでしたが、日野市ではどうでしょうか」と、確認しながら手探りで進めていきましたね。宗方先生から前例を知ることがなかったら、どうしたら良いか分からず不安でたまらなかったと思います。そういうことは、ネットにも載っていませんからね。

――協議会についてお聞きしたいです。宗方が同席したことで、法人にとってメリットはありましたか?

 協議会では、日野市の担当者や関東運輸局の方から、たくさんの質問を受けました。質問は、提出した書類や料金設定など、細かな内容も多く私一人では対応しきれなかったですね。原則、私がお答えする形でしたが、宗方先生にもサポートしていただき、何とか回答していったという形です。法人にとって、特に良かったことは経営が赤字にならない料金設定で、承認いただけたことでした。福祉有償運送事業では利用者様からいただく料金は、タクシー料金の半額以下と定められています。それはタクシー業界が圧迫されないための、国交省が決めた必要措置です。しかし、半額以下では法人の経営が厳しくなる。実は協議会前に、宗方先生の方から「一度、日野市の同業者さんに挨拶回りをした方が良いですよ」とアドバイスをもらい、協議会前に挨拶回りに行きました。そこで、昨年ある会社が経営難で潰れてしまったことを知りましたが、潰れた会社がある一方、一番経営がうまくいっている同業者さんについても知ることができました。その事業所は、半官半民なので、ドライバーの方はボランティアとのことでした。民間では、スタッフに無給で働いてもらうということはあり得ません。両社の話を聞いて、タクシーの半額以下の料金では、法人が経営難に陥る可能性があることが判明しました。せっかく立ち上げた法人なのに、潰れてしまっては元も子もありません。そこで宗方先生に相談し調べていただいたところ、他の市では半額以上の金額でも承認が下りているケースを見つけていただきました。前例があるならということで、宗方先生と一緒に、法人が潰れない料金を計算し設定。結果的にタクシー料金の60%という金額に落ち着いたんです。協議会からは、料金についてやはり指摘を受けましたが、宗方先生があいだに入っていただき、法人が運営し続けていくなかで、やむを得ない金額だと説明していただきました。最終的には議長もご納得され、協議会と関東運輸局から許可が降りた、という次第です。運営に適切な料金設定ができたので、とても安心しました。

何でも相談できる安心感。対応も早く、的確な答えがいつも返ってくる

――弊社のサービスの中で、一番良かった点について教えてください。

 一番印象深かったことは、何か心配なことがあればすぐに宗方先生に相談できるところ。そして、すぐに回答をいただいたことでした。他の事業でもそうですが、何か事業を進めるとき、代表がしっかりしていないと、従業員たちに不安が広まってしまいます。これまで経験がある仕事であれば、何か問題に直面しても、ある程度予測がつくのですが、初めての事業ですと、申請が通った現在でも、やはりまだ分からないことが多いし、実は私が一番不安なんです。その不安をスタッフには見せられないので、そういうときはすぐに宗方先生に相談します。すると、すぐに答えをいただけるので、非常に助かっていますね。行政書士としてのスキルも凄いですが、精神的な支えになってくれることが、一番良かったです。一緒にお酒も飲める仲になりました(笑)

――サービスのスピード感など、具体的な感想があれば教えてください。

 スピード感はいつも感じていました。今回、依頼をしてから申請まで時間がなかったのですが、申請から運営上のコンサルまで全てワンストップで助けていただきました。行政書士事務所さんは他にもありますが、大きな事務所では分野ごとに担当者が分かれている場合もあるため、こちらも「この業務については担当Aさん」「あの業務については、担当Bさん」と別々に対応しないといけない。それでは、間に合わなかったかもしれません。宗方先生の事務所だったら、全て宗方先生に聞けが答えが返ってくるのが良かったですね。そして、豊富な実績があるので、いつも的確な回答が返ってきました。早くて、的確なご対応に本当に助けられました。

今後は運営の黒字化が課題。雇用問題も、相談していきたい

――当事務所のサービスを利用しようか迷っている方にメッセージをお願いします。

 福祉有償運送事業や介護タクシーなどの事業を始めたいと考えられている事業者の方には、ぜひおすすめしたい。申請の手続きや法人の運営には、法的な面も含めた知識が必要となりますが、個人で全て準備することは、難しいと思います。また、自治体によっても申請の仕方等はそれぞれ違いがある。宗方先生は実績や経験をずば抜けて持っていらっしゃるので、先生に依頼をされたら安心して任せられるでしょう。私も今回事業を始めるにあたって、宗方先生に依頼したことは最良の選択だったと思います。福祉有償運送事業はこれからの高齢者社会において、もっと必要とされる事業です。新規参入が増えて、世間からの認知も上がれば、要支援者や要介護者等の方達の暮らしももっと豊かになっていくでしょう。どんどん参入していただきたいなと、思っています。

――今後、当事務所に期待されるサービスについて教えてください。

 人材紹介等ですね。どの事業に限らず、人員の採用や育成は大きな課題かと思います。人口の減少に伴い、徐々に労働力も欠如していくので、雇用問題についてぜひコンサルしていただきたい。宗方先生の事務所では、外国人のビザ取得の業務もされていると聞きました。これからの日本は、外国人労働者がいなくては事業を運用することは難しくなるでしょう。ある程度人員がいないと、育成まで手が回せません。同業他社を集めて、教育や指導をする機会もあると良いかもしれませんね。その時には、ぜひ宗方先生のお力もお借りしたいです(笑)。当法人は今後、事業を拡大していきたいと思っていますが、まずは経営が黒字化できるかが当面の課題です。円滑な運営を目指し、頑張っていきます。